南蔵商店 青木弥右エ門 「ぎん わらべうた」
「南蔵商店」はかつて町全体に50軒もの醸造蔵があったとされる味噌・溜造りが非常に盛んな町、愛知県武豊町(たけとよちょう)で明治五年(1872年)、味噌とたまりの醸造頑として産声を上げました。
味噌の方は以前紹介しています: 国産丸大豆と自然海塩「海の精」を使った三年熟成豆味噌「里の味」
今回は日本テレビ「満天☆青空レストラン」(2019/03/09)でも紹介されたたまり醤油です。
愛知県産丸大豆と伝統海塩である海の精を原料として、昔ながらの技法にて仕込み、じっくり三年熟成させ杉の桶の底よりしたたり落ちる、わずかしか出来ない贅沢なたまり醤油「ぎん わらべうた」。
小麦を一切使用せず、原材料は「大豆・塩・水」のみです。
海外では「グルテンフリー」が注目され、原料の大豆をオーガニック大豆にして海外の自然食品店へ輸出もしている南蔵さんののたまり。二十年以上前から海外に輸出しているそうです。
毎年アメリカのユダヤ教指導者が訪れ、味噌、溜りがユダヤ教の戒律に適合するかの審査を受けているみたいです。
ドイツの商品比較サイトで1位を受賞した(小麦を使わないので小麦アレルギーの人でも味わえること、有機大豆のみ使用なので安心感などがあるという理由)ことをきっかけに、ドイツのドキュメンタリー番組の取材も受けています。
【製法】
① よりすぐった品質の良い大豆を使用 ② 大豆を洗います。 ③ 大豆に水分を含ませます。
④ 圧力釜で長時間蒸す。 ⑤ 蒸した大豆をさましてから麹菌が付きやすいように味噌玉を造る。
⑥ 室(むろ)に入れ、麹の温度を32~33℃に保ち、3日~4日間、目で見て、匂いをかいで、手触りを確かめながら麹の出来上がりを待ちます。
⑦ 溜まり麹を杉の木桶に入れ塩水を入れる。 その後重石をのせる。
⑧ 仕込み後、初期は毎日汲掛けを行い、麹が早く均一に吸収するように努める。2~3ヶ月以後は表面が乾かない程度に汲掛けを行い、自然のままゆっくりと日時をかけて醗酵・熟成するのを待つ。
⑨ 蔵の中で自然のまま、ふた夏を越す長い長い発酵期間に入ります。
⑩ 生引…仕込桶の下部呑口を開き、生溜(生引溜)を引く。
圧搾…生引溜を引いた後もろみみそを布で薄く何枚も包み重ねて圧搾しぼりする。
・生引き・・・「ぎん わらべうた」 (桶の底よりしたたり落ちた旨味たっぷりの濃厚なエキスをそのまま製品にする生引溜)
・圧搾溜は・・・「しぼりわらべうた」 (桶から出した味噌を布にはさみ圧力をかけて搾る圧搾溜)
・生引溜と圧搾溜を混合・・・「つれそいとなじみ」
⑪ 完成
「南蔵」では五分仕込みといい、1.5tの原料大豆に対し半量(5割)の食塩水を加えて仕込みます。
同量の食塩水を加えると十水(とみず)仕込みといいます。市販の醤油には十三水のものもありますが、かなり薄くなるそうです。こちらのたまり醤油でも味噌づくり同様、工程で最も重視するのが麹づくりでした。
店頭購入値段は667円でした。みなみぐらショップでも購入できます。
原材料名:大豆、食塩
内容量:200ml
豆のたまり ぎん わらべうた 200ml 満天青空レストラン たまり醤油 愛知県 武豊町
わらべうた南蔵の見た目や味の感想
見た目はちょっと濃い赤褐色です。
味は、はじめに木桶の熟成したような香りを感じ、なおかつ透きとおった鋭さを感じます。
その後にうまみと塩辛さがきて、後味に甘みも出てきます。出汁のような味もあります。
味の変化を感じられる溜まり。贅沢な味わいです。